私はマネージャーです。今、佐藤さんに一目惚れで恋に落ちました。
佐藤さんはアーティストにして他の人に配慮する優しい人です。「私はいつも気持ちがなごめる音楽を聞いて、私なりに人を驚かせる絵を描くために頑張っている。」と佐藤さんがよく語っていました。
佐藤さんはいつもアトリエにこもっています。集中している彼は食事はおろか、水を飲むことすら忘れてしまいます。仕事ずくめの佐藤さんだからこそ、マネージャーという人が必要である次第です。
佐藤さんには弟が一人います。佐藤さんは頭がよくて絵も上手で、それと引き換えに弟は優秀ではないので、いつも佐藤さんと比べられます。弟と私は幼馴染で、私と彼のマッチングキーホルダーをまだ持っています。しかし、私が引っ越しして以来、連絡しませんでした。
ある日、佐藤さんを確認に行った時、アトリエのドアに鍵をかけられたことに気が付きました。「まあ、疲れない人じゃあるまいし、寝ているのかな…」こう思った私はオフィスに戻りました。三時間後、仕事の報告かたがた佐藤さんを起こすつもりでアトリエへ行きました。
ドアを開けたら、すぐに床にいる意識がなくなった佐藤さんを見ました。アトリエの物はすべて散らかされたし、元々机の上にある花瓶もひっくり返されました。私が一番驚いたのは、床にある、私と同じキーホルダーです。警察を呼んで、あげくの果てに弟さんは警察に捕まえられた始末で、佐藤さんは病院に運ばれました。
